進撃 ティアドロップ

□好きです。
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「エレンは図書館行ったことある?」


「いえ、ないです」


“ エレン ”


名前を呼ばれただけで、身体が熱くなる。


ハルさんが相手だとこうも違うのか。


「そっか。

まぁ、入団して間もないから仕方ないか。

兵舎の案内とかはして貰った?」


「いえ、それも...。

リヴァイ兵長の執務室と、私室、あとは地下室だけで」


それ以外は案内して貰ってない。


「そう。

でもリヴァイが私室を教えるなんて珍しいね。

あ、そうだ。

この機会に私で良ければ案内しよっか?」


ハルさんの提案に、目が輝く。


「良いんですか?」


「リヴァイの書類が終わるまで時間あるし、全然構わないよ」


「ありがとうございます!」


バッと頭を下げる。


「大袈裟だよ。

エレンってなんか忠犬みたいな感じするね、可愛い」


クスクスと笑うハルさん。


本当に可愛いのはあなたの方です...!


普段は嬉しくない言葉でも、ハルさんの言葉なら受け入れられる。


「まずは図書館に行こ?

そのあと案内してあげる」


「はい!」


しばらく歩くと、ハルさんが脚を止めた。


「ここが図書館。

巨人の本でも、外界の本でも、比較的なんでも揃ってるの。

何か読みたい本とかある?」


「特には...」


読書には興味がない。


でもアルミンを連れて来たら喜びそうだ、と思った。
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