短編

□グリーンカレー
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「ねー、わかぁグリーンカレー食べたい!」

今日の仕事もひと段落し、楽屋で帰る仕度をしていると突然うちのキャプテンからお声が掛けられた。
仕度ももうすでに終えたみたいで、いつもこれくらい頑張ればいいのにと思う。

「あーいいかもね、ここら辺でなんか良いお店あったっけ??」

振り返りながら返事をすると、思っていた以上に目をキラキラさせた玲香と目が合って驚く。

ああ…これは嫌な予感がする。


「お店のじゃなくて、わかの手作りがいい!」



あの後楽屋で何とか玲香に、お店じゃダメかと説得を試みたが、結局わたしの方が折れて二人で材料の買い出しに来ていた。
ああなると玲香は折れてくれないからな…。

というか桜井さんはさっきからいないけど、どこに行ったんだ。

「わか〜!アイス買ってもいい?」

若の分も持ってきたよ!なんて言われてしまうと甘党わかつき、断る理由なんてなくなってしまう。
しぶしぶ承諾するとやったーなんていいながらカゴに商品を入れていく。
…しかし明らかにアイスじゃないものも一緒に入っている気がする。

「ちょ、れいか。これお酒じゃん!?明日は朝から仕事あるしダメだよ!」

「ええー!一缶だけだから!大丈夫だよ!」

「そう言って前は3つ以上開けてたでしょ!!」

アルコールコーナーの前でそんな風にギャーギャー騒いでいるとお酒を買いに来たらしいおじさんが怪訝そうにこちらを見ていることに気づいた。
邪魔になってはいけない、とすぐに玲香にも端によけるように促すが、なにやら不満そうな顔をしたまま動かなくなってしまった。
いやいや、子供かよ!
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