黒子のバスケ
□長い旅
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苗字名前
宮地が1年の時からずっと同じクラスの女の子
普通クラス替えで一度くらいは離れそうなものである
初めて見た時は、成績優秀で運動はあまり得意ではないところを見ると典型的な優等生タイプなのだろうと思った
しかしそれからちょいちょい見ているとクラスの女子とも話してはいるが派手な見た目のやつらのようにモデルや俳優などの話にも興味もなさそうな上、普段から一人で本を読んでいるところを見ると人と話すのが苦手なのだろう、と思うようになった
ある時、一緒に日直をやることになった
宮地自身部活があるからさっさと終わらせて部活に時間を使いたかった
内心イライラしていたのが顔に出ていたのだろう
おずおずと苗字が
「あ、あの…宮地くん。残りは日誌を書いてHRの時に集めたプリントと一緒に提出するだけなので部活行ってください」
と言ってくれた
しかし日直は宮地と苗字の役目である
他の奴らも部活があるからと言って押し付けて部活に行ったりはしない
それは悪いと申し出を断ろうとした時、さらに重ねて苗字が少しだけ胸を張りながら言ってくれた
「その…今年で最後でしょう?部活に心血を注げるのも…。私は部活もやっていませんし、こう言う雑務は得意なのです」
そう言い終わればふわっと微笑んだ
不覚にもその微笑みに心臓を鷲掴みされたような気がした
しかしこの量のプリントを運ぶのも小柄で細い彼女には一苦労だろう、と思った
「いいって、俺もやるよ。苗字は細いからな、こんな大量のプリント運ぶのも大変だろ?」
そう言いはするが、気遣ってくれたことは素直に嬉しい
ありがとなー、と言いながら笑って優しく頭をポンポンっと撫でてやると、照れ臭そうに頬を赤らめて笑い返してくれた
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