黒子のバスケ
□あなたの気持ちは?
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私、苗字名前は
今とてつもない悲しみに覆われています
何故なら––––
「あ、あの……花宮くん、ずっと前から好きでした、付き合ってください!」
––––そう、私の彼氏である花宮が告白されている場面を、運悪く彼女の私が見てしまったからである
バスケの試合や部活をしている時以外は猫被りで、その優等生の姿に騙されて花宮を好きになる女子は多く、告白されるのは一回や二回ではなかった
しかし告白された日の部活の時に、いちいち断るのもめんどくせぇが、名前がいるから他には興味ねぇ、と聞いていたから当然今回も断ると思っていた
「ありがとう、僕でよければ喜んで」
––––正直、聞きたくなかった
いつもは聞いたら気まずいと思ってすぐ立ち去るのだが、今日に限っては返答が違ったので動けなかった
手に持っていたものも、力なく落ちてしまった
カランカランと音を立てて私の手から滑り落ちたのは、普段花宮が使っているドリンクのボトル
洗い終わって乾かしたのを返そうと思って戻ってきたところだったのだ
その音に気付いてこちらを見た花宮が、私の姿を見て目を見開いていたがいたたまれなくなって私は来た道を戻り走り去った
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