戦国無双

□はじまり
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「お母さん!お父さん!」
「ん?なんだ??」
「ふふっ。なんでもなーい」
「?へんな子ねぇ。……あ、コラ。あんまり遠くに行っちゃダメよ」
「はーい!」


あれ…
これって……なんだっけ…

"お母さん"…"お父さん"……って…

誰の…?

もしかして……私…の?…

でも、私にお母さんとお父さんなんて……












香織「っ!!」



夢…………か。

にしては何処かとても懐かしい感じがするような…。


香織「ーっ…、」


急に頭に刺さるような痛みが襲う。
偏頭痛か…。
そういえば学校の帰りからまだ途中だった。
今日は早めに家へ帰らなければ。


香織「…ん?」



気のせいだろうか。
近くで人の声が聞こえる。
……いや、それだけではない。
金属と金属があたるような音が…。


ーーカチャ

「お主、何者だ!!」

不意に背後から声を荒らげ何かを突き当てられる。
いきなりの出来事に頭が追いつかず、動揺してしまう。


香織「!!え、えと、……その、…」


ドラマの撮影だろうか。
その人は甲冑を着ていた。
それに今私に突き当てているのは刀だ。


「ん?…なんだその着物は。奇妙だな…。
!!!さては、新手の襲撃か?!」

そう言うとさらに刀との距離が近くなる。


香織「っ!!ち、ちょっ…」


逃げなきゃ。
脳がそう言っている。

なのに…

なのに何故足が動かない…?!


「大将様の為に魂を売れ!!はぁっ!」

とうとう刀が振り落とされた。

もうダメだ…!!

そう思っていた……が、

いつまでも経っても痛みは降ってこなかった。

その代わりに、目の前でドサリと倒れる音がする。


香織「……え?」


恐る恐る目を開ける。

すると先程まで刀を持っていた兵は息絶えていた。


「女子に刀を向けるとは愚かな者よ」

香織「…!!」


ザッザッザッ…と、徐々に足音がこちらに近付いてくる。


???「……お主、怪我はしておらぬか」
香織「…っ!!」


その人物を見て呆然とした。

右目に眼帯。
三日月の兜。
両手に刀と銃。

まさにそれは……


戦国武将の伊達政宗だった…。
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