赤色

□秋の空
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「ねぇ…翔さん…」

「ん?どうしたの?」

「私…怖いよ…」
そう言って君は僕に抱きつく

「何が怖いの?」

「いつか、翔さんが遠くに行って私の手の届かない所に行っちゃいそうで…」

「え?」

「いつかいなくなっちゃうかもしれなくて怖い…」

「僕はどこにも行かないよ?」
不安そうな顔をしている君をいつもこうして勇気づけていた

「よかった…。」
そう言ってニッコリと微笑む君だけど、僕はななしちゃんちゃんが消えてしまいそうで、内心すごく不安だ
満足したように僕の元を離れてしまう

(もう少し抱きしめてたかった…)

僕が仕事に行っているあいだ、目を離してるうちに消えてしまいそうな君。
小さくて華奢な手を強く握って離したくない。
この気持ちを伝えたら君は喜ぶのだろうか。それともいなくなってしまうのかな。

「ねぇ、翔さん」

「ん?今度はどうしたの?」

「愛してるよ」

「ななしちゃんちゃん…」
嬉しかった。でも同時に怖くもなった。

「どうかこのまま君と居れたら…」
小さくつぶやいた

でも、たまに君が見せる冷たく近寄り難い表情に怯えてるんだよ。
僕は、愛の歌によく出てくる気休めの永遠にしか縋れない。
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