book ー偽りなき涙
□海軍見習いの青年
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島に着くと、やたらと船の中が騒がしくなる。前の島から結構立つためか、今回は特にうるさい。
そんなクルー達をよそに、この船の船長はローズを探していた。
探していると言ってもまぁ、船で一番騒がしい所に行けばだいたい彼女はいるので、正確にはこの船で一番騒がしい所を探している。
「エエェーーーーっ!!!!次の島にある海軍基地ってガープの管轄内なのォーーーーー!?」
「な、なんだよっ、いきなり。」
「今さらお前、海軍なんか怖くねぇだろ?」
探していた直後、分かりやすく大声が上がったため、今日は何事かと頭を押さえたい気持ちを押さえながら脚を動かすスピードを早めた。
彼女の目立つ紅の髪を見つけると、ペンギン帽とキャスケット帽も目に入ってきた。
すでにもう三人のすぐ後ろにいるというのに一向に気付かない様子を見るとコイツら全員バラしてやろうかと思わず思ってしまった。
「バッカ、海軍は怖くねぇよガープ単品が半端なくヤベェんだってマジこれ本当だから。」
「へぇ〜、お前にも怖いモノあんのか
ぁ。…………ァ、」
「お前あの船長にも怖じ気づかないのにな。そんな怖ぇのか?海軍の英雄っつってももう結構な年だろ? ん?どうしたペンギン……後ろに何k…」
「怖いなんてもんじゃないよ〜。そりゃウチの船長も極悪人みたいな面してっケドさぁ。」
「誰の面が極悪人だって?」
「いやだからね、船ち……ぁ、い、イラッシャッテ……タンデスカ……」
この数秒後バラバラになったローズがしばらく船長に遊ばれたとかなんとか。
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「で、こっからが本題だ。お前の上陸の件なんだが、オレと一緒に来るのなら特別に許可してやる。どうする?」
「イヤ、今回は留守番してマス。決して船を出ませんそうさせて下サイ。」
「来ない………って事か?」
「Yes………えっと、何か不都合でも?」
「! いや、特にない。留守を頼んだ。」
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ヒソヒソ
「おい、もしかして船長、」
「あぁ、きっとアイツと島回ろうとしてたんだろ。」