book ー偽りなき涙

□ヒロイン、能力解説の巻
2ページ/4ページ


「おーーいっ! ローズ、大変だ‼」



アタシがこの舟に乗ってから数週間後……だいぶ生活にもなれてきたある日、事件は起きた。





『なんだいキャスくん、朝から騒々しいなぁ。海軍でもきた?』



朝食を食べに食堂へ向かう途中、アタシの名を叫びながら走って来るキャスケットに呼び止められる。


一体何にそんなに驚いたのか………?




「お前、……七武海への勧誘があったのか?」


『あ〜ぁ、…………それね。でも取り敢えずさ、朝メシ食べようよ。まぁ話はそれからで。』




アタシとキャスは食堂へ着くと、同じテーブルに二人で座ろうとする……が、


何故か寝起きの悪いキャプテンもこの日は起きていて、後から来たペンギンも合わせ、結局四人でテーブルを囲んだ。


「アレ、皆で一緒に食べるの?オレも入れて〜」



いや、五人になったな。






『アハハッ、なんだお前ら、仲良しかっ、揃いも揃って! あれ、痛い痛いイタタすいませギャアーーッ!』

ギリギリッ



「お前の話を聞きに来てんだろーが」


『はいすいませんキャプテンおっしゃる通りです話します許して下さいーー!』



「「「(痛いそうだなぁー)」」」








「で、勧誘があったのはいつだ?」


『えぇーとですねぇ、………』


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(数週間前)


『ふわぁ〜ぁ。暇だなぁ……ん、?」




ある日、甲板でくつろいでいると、バサバサァっと白いカモメが降りてきた。


海軍のマークが書かれた手紙をアタシに差し出している。



(海軍…………?)

アタシはその手紙を開いた。







ーー 海賊、鬼姫ローズ ーー


貴様の悪行は数知れず、その行いは許せざるものである。

がしかし、我々政府は貴様の危険度とその能力を考え、七武海の称号を与える事を示唆している。


七武海となり、我々の矛となれ。

これは頼みではない。

全ては貴様次第だ。





ムカッ

『だーれがテメェらみてぇなタコに力を貸すかよ‼ 一昨日来やがれ。 そーだ‼ 鳥さん、これ届けてくれる?』


「クーー、」

『よし、これでOK! しっかり届けてよぉーー‼』




たまたま手に入れていたとある七武海の海賊のシンボルマークを、カモメに持っていかせた。

ムカついていた事もあり、後の事など考えていなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー





「スゴいね、ローズ。七武海なんて」


ベポが場の雰囲気に合わないおっとりとした声で誉めてくれる。





「あぁ、凄い………けどよぉ」

「これは………厄介だな、うん。」


「何故この話を蹴った…………何の相談もなしに。」


『だって海賊は自由でなきゃ‼ それにアタシ、政府のイヌになんてなりたくないもーん。 たまたま七武海のシンボルマークも持ってたし。ついムカッときちゃって……』



「それを送り帰した、と。はぁ、全く。お陰でその海賊は今頃これを見てブチ切れてるだろーよ。」


「誰のシンボルだったんだ?」


『あぁ、ドフラミンゴ。 カジノぶっ壊した記念に持ってたの。てかなんで海賊がカジノ経営してんのよ。』



「(ドフラ…………ミンゴっ!?…)」

「(死んだ……これ絶対……)」






二人はしばらく泣きそうな顔をしていた。







「ハァ、……七武海ねぇ。お前そんなにヤバイやつなの?いくらだっけ、懸賞金………」



「三億と一千万ベリーだろ。俺より上ってのは気に入らねぇが……………まぁ、危険度では圧倒的にコイツのほうが上だからな。」


「ええーーっ! 船長よりも!?」



『アタシ、気に入らない海軍の基地いくつか全壊させてるもん。』


「笑顔で言うことじゃねぇわ!!」





シャチとペンギンは悲しんだり驚いたり大騒ぎだ。


知らないでよく一緒にいられたなぁって感心するよね、逆に。




「でも、一様七武海の勧誘がきたんだし、実力は同じ位だろっ!?」

「そ、そうだぜ、同じ称号背負えるレベルだって事だろ!」


『あーアハハ〜、あの人その中でもずば抜けてヤバイから、アタシももしかしたら死ぬかも。』


「「(やっぱり死んだな………)」」





「まぁ、やっちまったもんは仕方ねぇ。ローズ……お前は十分に気を付けろ。」



『ハイよ。』



なんか、嫌な予感がする………
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ