book ー偽りなき涙

□君って何者?
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アイツがこの舟に来たその日、クルー達が勝手に宴をはじめた。


彼女も最初こそ戸惑っていたが、酒も入り、今は楽しそうに仲間達と会話をして回ってる。




警戒心が強く誰にも気を許さない一匹狼のようなイメージだったが、どうやらそれは違かったようだ。



恐らく警戒心が解けないような暮らしを送ってきたから、体がそうなっているのだろう。



だが、警戒心の溶けたアイツは意外と笑う。

まるで陽だまりのように、ふわりと柔らかい笑顔を浮かべて。



ドレスを着ていたためか、はたまた綺麗すぎる顔立ちのせいなのか、どちらにせよ大人びた見た目だったが、笑った彼女は、年相応の少女だった。



今までどんな生活をしてたかは知れないが、俺の舟へ乗せたからには絶対守ってみせる。


これからは仲間がいるから寂しくもないだろう。






ローズという女は、まだまだ掴めない所だらけだ。


それを一つ一つ知っていくのも、良いかも知れない。
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