BloodyLover
□第二話
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うっすらと意識が浮上する。
夢から醒めそうで醒めないフワフワした感覚の中、わずかな違和感を頭の端で感じた。
鼻につく匂い、頬を掠める風が砂を纏い微かな痛みを伴う。
「ふわあああぁ〜」
いつもの様に手を伸ばすと、掌の感触
がおかしいことに気付く。
ベッドでも床でもなく、まるで地面のような硬さと感覚。嫌な予感がして目をそっと開けてみる。
思考回路は強制シャットダウンされた。否、脳のフリーズである。
そこに広がる黄土色の景色。
廃棄物、砂ぼこり、鼻につく匂い。
「いや…いやいやいやいや!?
何処よ!夢じゃない事は分かった
から!誰か説明プリーズううぅ〜」
…とはいえ論理的思考とか、現状把握が苦手、良くも悪くも立ち直りの早い
裕佳だ。そこはそれ、切り替えて立ち上がり歩きだした。
「服は着てる…
パジャマで寝たのに変なの…」
途中、ガスマスクを付けた蜂退治のときの様な服装している人達を見て、
何故だがスッ…と冷静に理解した。
「ー流星街…?」
なんとも言えない目眩のするような
ハプニングだ。