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□When I Was Your Man
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ジョンヨンside





ねぇチェヨン、今何してる?



貴方が去ってから酷く広く感じるこの部屋で1人ただ座ってる私は相当惨めだろう。



ぼーっとしながら本棚の隅に置かれた花瓶を見ると、萎れてくすんだ色をした花が私と同じように小さくなっている。




「枯れてんじゃん...」



小さく呟いたはずの声なのに嫌に部屋に響く。
何もする気が起きなくなった体を無理やり起こして狭いシングルベッドにダイブする。



狭いはずなのに。狭いはずのシングルベッドなのにやけに広く感じる。


いるはずのない姿を腕枕するように腕を伸ばしてみる。

バカなことしてんな私。温もりも何も感じられない冷え切ったシーツに力無く瞼が閉じた。












チェヨン「ねぇちょっと、起きてよ、起きてオンニ」


しつこく体を揺さぶられる感覚で目が覚めた。



まだ確かにならない視界がチェヨンの姿を捉える。


え?



「なんで...ねぇどこいってたの?」

チェヨン「どこって、買い物してくるっていったじゃん。...ていうかどうしたのこの部屋」



オンニらしくないよと叫び散らかしながら部屋のゴミを拾っていくチェヨン。



チェヨン「あぁもうほら、花もさ生きてるんだから水はこまめに変えてっていったじゃん!」


なんだ、今までのは夢だったのか。
なんて酷い夢。

チェヨンは今私の目の前にいるじゃん。

じゃーんなんて言いながら新しく買ってきた花を私に見せながら無邪気に笑う。


「ごめん、変える暇なくてさ」

チェヨン「オンニらしいよ。そういえば今日はなんの日か覚えてる?」


なんの日だっけ?
こんな昼間にゴロゴロしてるってことはきっと休日かな。


「えっと、日曜日?」


私の返事に最初から期待してなかったような顔をしながらもわかりやすく落ち込むチェヨンにハッとなる。



チェヨン「もお、記念日だよ...」


だから花買ってきたんじゃんと子供のように拗ねる。


「本当にごめん、何も準備してなくて」


チェヨン「良いよ別に...私は手を繋いで一緒に過ごせるだけで良い」


そう言いながら私の横に座る。指を絡めながら交わる視線。


「大好きだよ」


無意識にそう言葉が出た次の瞬間には重なる唇。



舌同士がゆっくりと絡み合いながら時々チェヨンの八重歯に触れる。



チェヨン「んっ.....っは、」



本当しつこいキス。



「んん、チェヨっ...ちょ苦し....」

チェヨン「もっと、もっとした、い...」


顔が離れた時にはお互い息が上がってるというのにそんな目でおねだりされたら我慢できなくなっちゃうじゃん。


「記念日だもんね、特別だよ」















ドクン



心臓が強く跳ねるように脈を打つ。
その瞬間に瞼を開いた自分が居た。





え?どういうこと。



重い体を無理やり起こすと酷い頭痛とともに視界に入ったのは暗くて荒れた部屋。




「なにこれ....」




パッと視線を本棚の花瓶にやると、夢で見たように枯れた花が下を向いている。



今までのが夢だったってこと...?
全部を思い出すと現実をぐさりと心臓に突き刺される気持ちになる。再びベットに体を倒すと無意識に涙が出て来る。




ねぇ、私が貴方を傷つけてたなら謝りたいよ。遅すぎるってこともわかってるけど。


ごめんね。



花を贈ればよかった。
記念日には手を繋いで時間の許す限り一緒にいてさ、2人でいろんなところに行けばよかった。



もし新しい人と出会ってるなら、その人が貴方に花を贈ってくれることを願っている。
記念日には手を握って、貴方のしつこいキスにも応えてくれる人だと願っているよ。



貴方が好きだったこと、全部してくれるように願っている。
私がしてあげられなかったこと全部。



また目を閉じたら貴方に会えるかな。
夢だとしても会えるなら、その時は全部、全部私がしてあげるから。



end.


Bruno Mars/When I Was Your Man


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