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□Treat You Better
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ジョンヨンside




ナヨン「また、喧嘩しちゃって...」




気まずそうな、恥ずかしそうな、今にも泣き出しそうな顔で涙を溜めながら無理やり笑って俯くナヨンさん。




「それで、原因はまた向こうのたらし癖?」





バーで隣に座るナヨンさんを横目に見て興味のないふりをしながら会話を進める。





ナヨン「そうだけど、そうじゃないの。あの人のそういうとこ知ってて付き合ったのに、我慢できない私が悪いの」





私が入り浸っているこのバーに少し前から来るようになったナヨンさん。
いつも俯きながらカウンターで1人飲んでいる姿を離れた席から見ていた。
何回目かの時に勇気を出して隣の席に座り話しかけると、ずっと俯いてた横顔に初めて笑顔を見た。




ドキッとした。



それから何度か来るナヨンさんの隣に座り他愛もない会話や真剣な話、普段人にも話したことのないような話をお酒の力を借りながら話して行く。





会って何度目かの時。酷く酔ったナヨンさんが泣きながら話す。
ナヨンさんには付き合っている人がいるらしい。
その人のことが好きで好きで仕方ないが、その人は関係を持っている人がたくさんいる、と。ナヨンさんはそれでもいいからとその人と付き合っているがやっぱり苦しくて辛いらしい。





何でそんなに辛いのに、何で何度も泣いているのにやめないの?





「泣けばスッキリするよ」





そういうと、ごめんと小さな声で言って鼻をすすりながら静かに泣いている。





『そんな奴やめなよ』

『ナヨンさんには似合ってない』




何度も泣く姿を見ても一番言いたい言葉は言えない。

いや、「私にはあの人しかいない」と言いながら泣く姿を見てるから言えないのかもしれない。





「ナヨンさん、いいもん見してあげようか?」




しばらく泣いていたナヨンさんに静かに声をかけると、顔を上げる。




「おいで」
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