short story
□会いたい日
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「フンッ!フンッ!」
心の隅で主張している気持ちを誤魔化すように素振りをする俺。
きっと誰にでもある、普通の気持ち。
自分からは決して言い出さない。…ていうか言い出せない。
だけど知っていてほしい。覚えていてほしい。
君だけには…
きっと誰だってそうだ
当たり前の主張だ。
心の中でだけ、声を大にして言おう…
俺、今日誕生日なんですけどー!!!!
・・・
「オイ、山崎」
朝一でミントンをしていると、副長に声を掛けられた。
いつ逃げようかと考えていると
「おめでとう」
副長にあんぱんを手渡される。
今何て…?
「おうザキ!こんな所にいたのか」
「えっ…局長まで……何の用ですか?」
「何、お前の誕生日を祝おうと思ってな」
「………」
「おめでとう!お前コレ好きだったろう!?」
あんぱんを差し出す局長。
「ありがとうございます…」
自然と口元が緩む。