short story
□アンパンマン
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彼氏出来たんだ…
少し髪を染めて、ストレートパーマをかけたミントちゃんが歩いてくる。
朝一番の屯所の廊下―…
俺は前の方が良かったと思うんだけど。
そんな俺の意見など、当の本人はどうでも良いだろうから言わない。
「あ!ザキ、おはよー。」
「おはよう。」
ほんの少し前までは…
挨拶の後、ミントちゃんはいつも何気ない話をふってくれていたんだけどな。
それももう無いんだろうな。
通り過ぎる時、違う香りがした。
好きな人の為に、自分を変化させる。
そういう風に努力する女の子はよくいる。
ミントちゃんもそんな女の子の中の一人だという事は知っている。
ミントちゃんの事はよく知っていた。
これでも、いつも見ていたからね。
なぜかって?
そんな理由なんざ…一つしかないでしょう。