book

□髪色
1ページ/2ページ

「3年1組、木下
今すぐ生徒指導に来なさい」

昼休み終わるギリギリに放送がかかる

久しぶりに生徒指導室に呼び出された


私の通っている学校は規則が緩くて
ある程度は目を瞑ってくれていたけど
流石に青い髪は許されなかったようだ




「しつれいしまーす。」


扉を開けて部屋に入ると
1人の先生がソファに座っていた


山本彩。

いつもはニコニコ笑っているけれど
怒った時は
めっちゃ怖いって言われている先生


人間誰だって怒ったら
怖いと思うねんけどな?



「せんせー反省してるんで
帰っていいですかー」


「ふざけんな?」
と笑顔で言われた

こえぇ…

山本「木下さん私言うたよな?
ピアスは許すけど
それ以上しらたあかんでって」


確かに言われていた………ような気がする



山本「これは職員会議に出るレベルやで」


そう言って髪を触られる

擽ったい


「でも似合ってるやろ?」


冗談っぽくそう言うと

山本「いや百花は黒髪の方がいい」

と真顔で言ってきた


「山本先生ええん?百花とか呼んで」


髪を触っていた腕を引いて耳元で呟くと

山本「木下さん
今の状況の方がやばいから
とりあえず離して?」


顔を紅くしてそう言う

やばいなぁ…エロい。



「だって彩が百花って呼んだんやん。
家でしか呼ばんのに」


山本「ばか!声がでかい!」


ぺしっと頭を叩かれた


「別にええやん同棲くらい…」


山本「良かったら隠してへんねん…」


「とりあえずもう帰っていい?」


扉に手をかけると

山本「ま、まだ話し終わってへんやろ」

と言われる


「話ねぇ……なんか話すことある?」


そう言うと

山本「なんで染めたんかとか聞かせてや…」


教師の顔に戻る


「染めた理由?聞きたいん?」

コクンと頷くから先生の目の前に立って


「私より仕事を優先する
ダメな恋人を振り向かせる為かな」
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ