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□私だけの
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今日はMV撮影



撮影の日は選抜メンバーが集まるから
当然あの人も来ているわけで……



太田「はぁ…緊張する……」


なんて呟くと周りの人は


「MV撮影は緊張するよな〜」

とか

「あんま気負わずに笑顔やで〜」


とか声をかけてくれる



いやたしかにMV撮影も
緊張してるんだけどそうじゃなくて…


山本「夢莉、いける?」



隣に座ってるこの人にドキドキしてるんです



太田「あ、はい…大丈夫です…」



1期生で先輩の山本彩さん

私なんかが恋していい相手じゃないけど
いつからか目で追ってしまっていた

多分片想いってやつだろう




水着の上からパーカーを羽織っている


山本「元気ないな〜そんな緊張してんの?」


私より身長の低い彩さんが
顔を覗き込んでくる


っ……破壊力やばい……



私より6つも年上で余裕のある顔


歳が近いメンバーからは
「夢莉にはもっといい人おるやん!」とか
「年齢差は厳しいで」
「彩さんBLしか見てへんやろ」
なんて言われる


でも好きなんだ

好きになっちゃったんだ

仕方ない



太田「彩さん
なんか落ち着く事してくださいよ」


沈黙を作らないように適当に話を振る



山本「えぇ!?難しい事言ってくんな〜」


こんな無茶振りにも全力で悩んでくれてる
なんか悪い事したな…

なんて考えてると
体が彩さんの方に引き寄せられる



え!?何!?

状況を理解出来ずに慌ててると


山本「大丈夫やで夢莉ならできる」


と頭を撫でられる



山本「どう?落ち着いた?」



にへっと笑う彩さんは
いつもより子どもっぽくて

そんな所にもキュンとしてしまう



お仕事ではキレキレで近づきにくいのに
中身はこれって…



見た目と中身のギャップが凄すぎる。




確か今回の楽曲もそんな歌詞だったか


皆が狙わないなら私が貰ってしまおう



彼女こそ私だけのドリアン少年。



なんて口に出せないくせにね




太田「彩さん、MV撮影楽しみですね」


山本「そうやな〜完成が待ち遠しいわ」



あぁ可愛い


絶対私のモノにしてみせる

ほかのメンバーなんかには渡さない



だってもう私には彩さん以外見えないから


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