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□うちの彼女が一番可愛い
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NMBの楽屋は常にうるさい

今日特にうるさいのは
ソシャゲのガチャで盛り上がってる3人



木下「おい三田〜」

彼女の名前を呼ぶとパタパタと走ってくる

三田「なんですか〜?」

気の合う仲間と話してたのに
私を優先してくれるのは悪い気分じゃない



木下「いや呼んだだけなんやけどな」


三田「…珍しいですね」


三田が明日は雨やとか槍が降るとかボソボソ言うてる




木下「いや恋人なんやから名前くらい呼ばせろや」


そう言うと三田はいきなり赤くなって

三田「あ、あんまそういうこと言わんといてください!」

って…



うち知ってるからな

お前のやめてはもっとやってやろ?

まぁ素直に呼ぶのも面白くない


木下「ふーん…じゃあもう一生
三田って呼ばんようにするわ
ごめんな、なんか。」


そう言って突き放すといきなり焦り出す


こいつおもろいな


三田「え、いや、それは………嫌…です…」



少し声が高くなって上手く話せてない



これは泣くやつやな…


泣き虫すぎるやろ


木下「泣くなよ、麻央」



そう言って抱きしめるとまた赤くなる顔



表情ころころ変わって面白いわ


三田「百花さん…皆見てるって。」


ボソッとそんな事言うから周りを見ると
確かにみんなこっち見てるわ



まぁ今更場所変えんのもめんどくさいし
見せつけたればええか



ぱっと三田を離すと隣にストンと座ってくる



三田「どうしたんですか今日…
普段は皆の前じゃこんなんしやんのに」



木下「いやなんかさや姉達と話しとるから
邪魔したろうと思って」


三田「嫉妬ですか?」


ニヤニヤしながらそんな事言う


また新しい顔した


表情筋どうなってんねん


木下「自惚れんなや」


三田「素直じゃないですねぇ〜」


ニヤニヤしたまま話してる三田を見ると
なんかムカつく


三田「もし私が来なかったら
どうしてたんですか」




うちが三田の事呼んでこやんかった場合…?


考えたこともなかったなそんな事


想像してみたけど

………え、普通にイラつく。

なんで呼んだのにけぇへんねん

恋人のうちと課金ガチャどっちが大事やねん


木下「一生口聞いてないと思う。」


三田「そんなに!?」


木下「うちが呼んだら絶対こいよ?」


三田「今まで無視した事ないでしょ私」


確かにないな


木下「いい子や、これからもそうしろよ」

そう言って頭を撫でると

三田「当たり前ですよ
最優先は百花さんですから」


なんて子供みたいな笑顔でこっちを見てくる



木下「うん
うちも最優先は三田やで」


そう言うと周りから
ひゅーひゅーとか野次が飛んでくる



木下「うるさいねん、お前ら!
邪魔すんなっ!」



そう叫ぶと

山本「見せつけてんのが悪いねん!」


と言われる


朱里「そこまで見せつけるなら
ちゅーでもしときや」



あいついらんことを

隣の三田は真っ赤やし周りはうるさいし


完全にやる流れやんけ



木下「しゃーない三田こっち向け〜」


恐る恐るこっちを見てくる三田に
きゅんとしてしまう


木下「していい?」


と聞くとコクンと頷く



その瞬間に顔を近づけて

唇ではなく‘頬’にキスをする


三田「へっ!?」

驚いてる驚いてる

その顔が一番好きやねん。


木下「続きは帰ってからな」




三田「っ……期待したやないですかあほ」



おぉ三田でも可愛らしい事言えんねんな


いやうちの彼女が一番可愛いか。


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