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□うちの彼女が一番可愛い
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最近私の彼女の様子がおかしい。


いや別に病気とかそんなんじゃないんやけど
私にめっちゃベタベタしてくる


嬉しいんやけど前の夢莉からは
考えられへん距離感で結構戸惑う


今だって……



太田「彩さん〜これ飲みます?」

って自分が飲んだ後のペットボトルを渡してきた



飲みたいけどこれ飲んでええんかな〜

完全に間接キスやんな

てか水なら私も持ってるしな

でも折角夢莉が言うてくれてんのに断るのもなぁ



悶々と考えていると
メイクさんに呼ばれ鏡の前に行ってしまった



残念やけど助かった…



朱里「さや姉なにいまの〜」


げっ…見られてたんか

朱里が隣に座ってくる

めんどくさいのに見つかった…

山本「いや普通あぁなるやろ…」


朱里「お水 口に含んでちゅーで
飲ませてあげればよかったのに〜」


こいつ可愛いくせにえげつない事言うよな


山本「誰が喜ぶねんそれ…」



そんなことを話してると
メイク終わりの夢莉が帰ってきた



太田「なんの話してるんですか」


山本「なんでもないよ」


太田「えぇ私には言えない話なんですか〜?」


言えやんわ

てか言いたくないわ

誰にもな

山本「しょうもない話やし気にせんといて」


そう言うとさっきまで朱里が座ってた位置に座って
肩に頭を乗せてくる



漫画でよくある‘コテン’ってやつ

なんやこれ2次元か…?


太田「…私にできない話ってなんですか」


拗ねたような声で話す夢莉


そこで話されると擽ったいねんけど


太田「私の中の1番は彩さんやのに
彩さんの中の1番は私じゃないんですか?」



ぐっ……なんやそれ可愛すぎる


山本「…最近どうしたん…めっちゃ可愛いねんけど」


話を逸らすために素直な気持ちを言ってみる


すると夢莉は私と向かい合う形に座り直して


「彩さんを取られるのが嫌だなって思ったんです」

なんて真剣に言ってくる



山本「なんやねんそれ」


可愛すぎるやろ


太田「口に出すのはどうしても苦手やから
行動に移そうと思って…迷惑でしたか?」


迷惑なわけがない


てか考える事もやることも可愛すぎるねん


山本「心配すんなよ、私の1番はずっと夢莉やで」


そう言うと夢莉は顔を赤くしてそっぽ向いてしまった



山本「夢莉こっちおいで」

膝をぽんぽんと叩くと
素直に従ってくれる夢莉


太田「…? なんですか?」

山本「んー…愛の確認?」



そう言って思いっきり抱きしめる


抱きしめたかっただけなんやけどな


太田「愛の確認かぁ…じゃあ帰ったら可愛がってあげますね」


笑顔で怖いことを言う夢莉


山本「えぇ…勘弁してや明日も仕事やで私」


太田「大丈夫大丈夫、私もです」


いやそう言う問題やなくて……


山本「程々に…な?」

太田「善処しますね」


これ明日死ぬやつや…なんて考えるけど
夢莉の笑顔を見ると許してしまう


あぁ…やっぱりうちの彼女が一番可愛い。


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