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□風邪
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朝…と言っていいのだろうか


11時半に目が覚めた



隣ではすーすーと
寝息を立てて寝ている百花さん


「百花さん〜起きてください〜」


百花さんを起こして
早くお昼ご飯を食べたいから
顔をぺしぺしと叩いて起こす



待って?
なんか熱ない?



一旦起こすのをやめて
体温計を取りに布団から出る



たしか…この辺に……あった!


体温計を持って布団に戻ると


木下「……三田?」


百花さんが起きた



三田「三田ですよ〜…百花さん、はい」


体温計を渡すと黙って脇に挟む



眠そうに目を擦る百花さんの顔は赤い



昨日の雨やろうな…



木下「ん〜……鳴ったで、はい」

自分では見ずに私に渡してくる



どれどれ…?

38.5…!?



三田「百花さん病院行きますよ」


木下「いや…今日開いてへんやん…」


病人に真面目な受け答えをされる


せやった今日休日やん…


三田「ん〜…とりあえずお粥とか作ってきますね」


木下「いや…お前料理出来やんやんけ…」


三田「失礼なっ!お粥くらい作れますよ」


そう言って台所に向かおうとすると
グイッと引っ張られ後ろへと戻される


結構な力で百花さんが服の袖を掴んでいた

三田「百花さん?
ふざけてる場合やないですよ」

木下「………三田…行くな」


三田「え?」


聞き間違いかな今…

木下「私の目届くところにおれ」


っ……可愛い…

熱で弱ってるからって…ずるいですよ…


三田「お粥作ってくるだけですから
それ終わったらすぐ帰ってくるから…ね?」



そういって前髪を撫でると
渋々だが了承してくれた



お粥を作ってる間に氷枕と冷えピタ、風邪薬とポカリを用意する



三田「お待たせしました百花さん
これ食べれます?」


百花さんの前にお盆を置いて座る

でもさっきから

「いらん、無理」

ばっかり

三田「食べやんと薬飲めやんし
治りませんよ?」


木下「治らんでいい……
治らんかったらずっと三田とおれる…」


……………やばいなこれは……

百花さんがこんなん言うなんて
インフルエンザでも有り得へんで。


というか私がもつか心配…


三田「でもお仕事できやんかったら困るでしょ?ほら食べましょう?」


そう言うと百花さんは私の方を見て一言


木下「あーん……ってやつやってや」



熱で顔は赤く声も掠れてる

そんな状況でこんなこと言われたら断れない



三田「はい…あーん///」


なんでお前が照れてんねんと言われたけど
これ結構恥ずかしいねんで?



もぐもぐしてる百花さんも可愛い…



木下「うまなったな」

三田「へ?」

木下「料理、美味なったな」

百花さんが素直に私のこと褒めるなんて
ほんまに明日地球終わるんちゃうかな…


結局完食してくれた百花さん


あとは薬飲んで寝るだけ


三田「はい、お薬」


錠剤を2粒渡して氷枕をセットする


木下「さっきまで寝てたし寝れれへんって」


そう言いながらも布団に入って
私に抱きついてくる




木下「…なぁでかなった?」


私の胸に顔を埋めて話しかけてくる


三田「っ…ちょ…っと…
擽ったいんですけど……」


木下「これは風邪治ったらチェックせなな」


語尾に音符が見えるほどるんるんしている



あぁ…もう早く寝てください。


木下「今日は1日ありがとうな…麻央」



そう言って布団に潜る百花さん




ほんまあなたって人は…ずるいですよ…


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