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□素直
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久しぶりに百花が家に泊まりに来た


でもさっきから冷たい態度で接してしまってる


だって恥ずかしいやんか
好きな人と同じ家におんの…



『…なんで素直になれれへんのかな…?』



音遠ちゃんは家族の方へ行ってしまったから
抱き枕を抱きしめてベッドに顔を埋める



そもそも長年の付き合いやねんから
今更こんなん言うても変やんな…

ずっと前から好きやったのに言い出せれへんかった
私が悪いねんけど



「上がったで」

百花が部屋に入ってきた

髪はまだ半乾きで
逆上せたのか少し顔が赤かった



『気持ちよかった?』

「うん、やっぱさや姉の家の風呂広いな」

『そう?そんなことなくない?』


しょうもない話をする



あーー…幸せ

毎日こんなこと出来たらなぁ。


「さや姉?聞いてる?」


『え、あ、ごめん。ぼーっとしてた』


そう言うと拗ねたのか何も話さなくなる百花


そんな所も可愛いと思ってしまうのは
きっと重症なんだろう




私が好きって気持ちを伝えたら
この関係は崩れてしまう

なら口に出さない方がええ気がして
百花にそっと抱きついた
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