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□ワガママ
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ももきゅん。

私と百花さんを合わせた呼び方
一部のファンの人には
ももきゅんがめっちゃ人気で嬉しい

実際私はどのメンバーとおる時よりも
百花さんとおる時が1番楽しい


だって恋人やもん
当たり前やんな…?



やのに最近抱きついたり
キスしたりしてくれやんなったし
なんか冷たい気がする



「百花さん!おはようございます」

『ん…あ、おはよ』


ほら今だって
打ち合わせで集まったのに素っ気ない態度



正直何考えてるかわかれへん
チームが離れてから会う時間も減ったし
こういう時こそ側におりたいのに…





そんな事考えてると百花さんに呼ばれる


『三田…ちょっと隣の部屋来てくれへん?』


なんやろ…
すっごい嫌な予感するねんけど

行かないわけにもいかないので
隣の部屋の扉を開ける

中は真っ暗で百花さんが
いるのかすらも分からない


「百花さん?…来ましたけど」

『なぁ三田』


ソファがある位置から声が聞こえる

「どうしたんですか?とりあえず電気つけ…」


『うちと別れてくれへん?』


私の声を遮られて聞こえた百花さんの言葉は
信じたくないもので
頭を殴られた様な衝撃が走る


「え、な、なんでですか…
私なんかしちゃいました?」


もしかしたら知らん間に
百花さんの嫌がることしたんかも

百花さんは首を横に振る


「私のこと嫌いになりました…?」


『…とりあえず別れてほしいねん』


「なんでですか…
理由聞かないと分かりませんよ」


嫌や別れたくない


だって嫌いって言われてもないのに
この気持ちを忘れられるはずがない



『…私のこと嫌いになってほしいねん』


「え?」


百花さんは今にも泣きそうな声をしてる

『三田は私がどんなに冷たくしても
ついてくるし何しても嫌いになれへんやん』


「当たり前ですよ」


『それが嫌やねん』


え、どういうこと?


『うちもうすぐ卒業するんやで?』


「…知ってますけど」

卒業って言葉を聞きたくないけど
分かってる


『卒業したら今までみたいに
頻繁に会えるわけじゃない
三田は三田の、うちはうちの仕事があるから
絶対今より会う回数は減ってしまう』


『三田は可愛いから…
絶対いらん虫寄ってくるし
正直辛いねん…やから別れよう』



「百花さん、それって嫉妬ってやつですか」

百花さんの近くに行って顔を覗き込む


『…分からんけどなんかしんどいねん
別れる前の我儘やと思って
うちの事忘れて。』


「じゃあ私も我儘言っていいですか?」


百花さんが頷く


「忘れたくない。
だってまだ好きやから。」



百花さんを抱きしめると抵抗もせずに
ただ静かに泣いていた



『……うちかって好きやわ…
でも、でも…』


「大丈夫、私は百花さんしか見てへんし
時間見つけて会えるようにもするから
だから心配せんといてください」



百花さんが落ち着くまで背中を撫で続ける


『……三田』

「なんですか百花さん」

『うち、かっこ悪いよな』


「かっこ悪いですねぇ
でもいつもの百花さんも
今の百花さんも大好きです」


『…うん。ありがとうな』












「って感じですかね?」


山本「へーそんな事あったんや」




結局別れ話は自然になかったことになった


あの時なんで百花さんが
あんなこと言い出したんかは未だに謎やけど
あの件があってからは
百花さんが優しくなった気がする



愛されてるなって思う

それ以上に私は百花さんの事愛してるけど



[なぁ今日会える?]

そんなLINEににやけてしまうくらいに
好きですよ百花さん


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