長編 HUNTER×HUNTER
□依頼と 承諾と 存在
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目の前に見慣れない天井。体は汗だく。息が荒い。
(夢...か)
よく見る夢、あれからもう10年もたっているのに。まったく成長しない。
私はゆっくりと体をおこした。目の前には書類の山、山、山。
(はぁ、あの人はいったいどういう神経をしているんでしょう?)
昨日、電話で断ったばかり。今は試験の準備で忙しいですと。
まあ今に始まったことではありませんが、断った次の日にこの量はないと思う。ですが幸い私は5次試験官。そこまでは10日ほどかかるときていますから、その間に片付けましょう。他の仕事もあるのですが..。
送り返そうとも思いましたがそれはできそうにありません。忘れられない恩があるから。昔も今も。
仕事に関しても大量の援助をしてもらっていますし、私のハンターとしての活動はこの人ありき。
それにしても私に面倒なことばかり押し付けて、自分はやりたいことばかり。まあそういう自由奔放なところにみんな惹かれてしまうのですが。
まったく仕方のない人ですね。ジンさんは。
ジンさんと私のことはまた別の機会話そうと思います。
まず私の紹介からしましょう。
私は18歳の時に合格した第276期生のプロハンター。トリプルの称号を持っています。
そして私は十二支んの、猫。
そんなものはない、と思うでしょう。私もそう思います。
私が24歳のときネテロ会長から誘われたんです。十二支んの猫にならないかと。
猫はいないでしょうと答えたら、猫がおらんと始まらん。といわれました。何が始まるというのでしょう。
結局会長に逆らいきれず、猫となってしまった私です。さて、私の紹介はこの程度にしておきます。
その他のことは、これからの物語の中で語られるでしょう。
では物語へもどりましょう。