星の煌めき

□哀れ
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彼女は甲板で横たわっていた
空腹のため、骨が所々見え今にも死んでしまいそうだった

彼女、いやヴィネはこの船、海賊船の船長である

空腹の訳は最近客船などの船が通らない為である
航海士は逃げてしまい、島にも上陸できない

ああ、死んでしまうのか。
ヴィネはそう諦めた

しかし船員が

「姉貴!船がありますぜ!!」

これまた骨が見えてきている船員が少し枯れた声で叫んだ

船員は皆喜び、襲ってやろうと考えた。

船に乗れそうな距離になってやっと帆がはっきり見えてきた。

咄嗟に彼女は気付いてしまった
この船は“世界政府のもの”だと

しかしそれを言う前に何人かが乗って斬りつけてしまった

斬ってしまったらもう終わり
闘うしかない

まあ勝負は見えていた
ムッキムキの世界政府と骨ばっている海賊
完全に海賊の負け

最後の最後。
ヴィネがカクカクの長っぱなが印象に残る世界政府に捕まった

「さっさと殺せ長っぱな」

「正義の為に殺してやろうかのう」

余裕綽々でそう答えた長っぱな、もといカク

その言葉にヴィネは疑問を持った
そして瞬時に疑問は解決した

「最後にお前に助言してやるよ」

「なんじゃ?最後の言葉を聞いてやるぞ」

「“自分こそが正義”と思ってるやつは大体君みたいに哀れなのさ!」

アハハハと笑いながら、彼女は死亡した
カクは疑問を持ったがソレを考えたら終わりと思考を停止した。

嗚呼!哀れ!!
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