six colors boy

□4話 再会?その1
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翌日。6人は制服に着替え学校へと向かった。

学年は全部で12クラスというマンモス校の為、見事に6人バラバラのクラスである。

そして昼休み。
「あーあ、俺も女の子とお近づきになりてぇなー」
廊下を歩くおそ松は見定めるように近場の女子をキョロキョロと見る。


「ねぇ、だから次の土曜日に2人で行こうよぉ。」

階段のロータリーからチャラチャラとした声が男の声が聞こえる。

ちらりと見ると、声の通りチャラチャラした男が女子生徒に言い寄っているようだ。

「(やーねー、昼間っから盛んだこと)」
おそ松はそのまま通り過ぎようとしたが、男が相手の女子生徒の腕を掴み、その瞬間小さな声で「痛い」と発したのが聞こえた。

その後は早かった。

階段を滑り降りたおそ松は男の手を女子生徒の腕から振りほどきひねり上げる。
「あだだだだだだ!」
チャラ男が悲鳴を上げるのと、「楽しそうじゃん、俺も強引にデートに誘われてみたいなぁ」
と微笑むのは同時だった。

「まぁ可愛い女の子限定なんだけど。」

「からっ」

女子生徒の咄嗟の言葉に、おそ松は目を丸くした。

「・・・から?」

はっとして口元を抑えた女子生徒。

「ごっ、ごめんなさい!何でもないです!」
頭を勢いよく下げた女子生徒におそ松は空いてる側の手を左右に振る。

「あー、何でもいいから早く行きな? あとはお兄さんに任せて。」
ネクタイの色から1つ下の学年であると思われるその女子生徒は、最初は戸惑っていたが再度大きくお辞儀をして走り去った。




すれ違いざまに、走り去る彼女から「カフェでのシナモンの香り」がしたことに、偶然通りかかったトド松が気づくまでには時間は掛からなかった。
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