six colors boy
□5話 再会?その2
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「今日もにゃーちゃんが可愛いなぁ。」
廊下の隅をにやにやと歩くチョロ松。
手には橋本にゃーのブロマイドが。
「チョロ兄さぁぁん!」
「ぐふっ」
「うわっ」
そんなチョロ松にラリアットをかます十四松。
「いったいな十四松!!」
チョロ松は怒りながらも倒れる際に誰かを巻き添えにした感覚に、慌てて背後を確認した。
甘い香りのする女の子が倒れ込んでいた。
「うわぁ!えっとあのごめんなさいいい!!大丈夫ですか!?」
チョロ松は慌てて彼女を起こそうとしたが、女性に触れるということに対し挙動不審となり大量の汗を流すばかりだ。
そんな中、十四松は直ぐに彼女が誰であるかに気づいた。
「ゆきなちゃんだ!」
「えっ、ゆきなちゃんって・・・あのカフェの!?」
彼女はなかなか起き上がらない。
どうやら気を失っているようだ。
「ゆきなちゃあああん!!」
十四松は勢い彼女を米俵のように担いだ。
「ちょっ、十四松女の子をそんな乱暴に・・・!?」
止めようとするチョロ松を余所に、わっせわっせとの掛け声と共に十四松はゆきなを担ぎ走り出した。
それを遠目から見ていた人物がいた。
「・・・何で直ぐに面倒くさい方向に出来事を運べるのか。」
そう呟いて一松は、見なかったことにしようと回れ右をした。
その真正面には自分と同じ顔がある。
「ぐぁ!!おおおおそ松兄さん・・・」
「なぁ一松。こっちの方に昨日のカフェにいた女の子来なかった?」
更に面倒くさいことになりそうだと思ったものの、一松はため息をついて十四松の走り去った方向を指差し答えた。
「あっち。 十四松が俵担ぎして走ってった。」
「俵担ぎ!?あの子を!?なにその面白い光景。」
言うと思ったと呟くや否や、おそ松に腕を引かれる一松。
「いやいやいや、何?」
「何って十四松追うんだよ。」
「俺さっきあの子助けたからさぁ、お礼に一発なんてこともあるかもしれないじゃん?」
「俺は関係ないから・・・」
にまにまが止まらないおそ松は手で口元を隠し小声で一松に耳打ちをする。
「そんなことになったらさぁ、お前にも0.5発山分けしてやるからさぁ。」
「まじすか、あざーす・・・!」
「いや0.5発ってどこまで?」
一松のノリツッコミが完了する頃には既におそ松によって下の階まで走りに付き合わされていた。