本棚
□隊長さん隊長さん
1ページ/1ページ
隣では眠そうな目を擦りながらも片方の手は的確に敵の頭を撃ち抜く彼の姿があった
「えおえおく〜ん」
「..ん、なに」
「名無しさんちゃんは眠くなっちゃいましたよ〜?」
「あぁ、そういえば俺も眠いと思う」
「はい?」
「あ、眠いなぁ」
「頭回ってないし!」
も〜、と不満げに声を漏らすと、このエリアクリアしたら終わるから、と先ほどよりも早く敵を見つけて打ち始めた
「名無しさんも一緒に遊ぼうよ」
「...えおえおくん私の話聞いてた?眠いって言ってるのー!」
「うん、でも...」
あともうちょっとだけだから、としょぼんとしながらも手は絶対に話さないという意思を放ってくるこの宇宙人さん
こうなると仕方ないなあ、と諦めるしかないのだ
「なんか私することあるの?」
「えーと、じゃあね、俺が打ちもらしたり、まだ見つけれてない敵とか見つけたら言って」
「なるほど...?でもそんな私見つけらんないよ」
「大丈夫、倒すから」
そう言いながら、彼はポーズボタンを押して、ポンポンと自分の足の間を叩く
「...なに?どゆこと?」
「えっ、そこからだったら見にくいでしょ?だから、俺の足の間」
「乗れと?」
「うん」
まじか、と声を漏らすと
「早く、寝る時間遅くなるでしょ」
貴方がゲームを続けるからだ、と言いたい気持ちはあるが、久しぶりに体をくっつけ合うのも楽しそうだな、とそのまま彼の足へ座った
背中に彼の体温と、心音を感じて気はずかしい気持ちはあるが、彼はそんなこと気にしてないようで、ポーズ状態を解除して、始めるよ、といつもの低い声でそういった
あとはできる限り敵を見つけたりすればいいんだな
「...全然見つけられなかった!」
「...そうだねえ、でもほら、すごいって言ってくれたじゃん?嬉しかったよ」
「なんか今日のえおえおくんいつもより動き早かった」
「...ちょっと、やる気に満ち溢れてたかな?かっこいいところを見せたいなあって」
「...なんかかっこよかったよ」
「ふふ、ありがとう、寝ますか」
「寝ましょう」