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□仲良くしたい キヨ
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前の方にいる兄に隠れながら、チラチラと今日兄と遊んでいる友達の姿を見ている

あー!などと言ってうるさい、のに、何故か不愉快にはならない

兄は特に私の不思議な様子に気づいた素振りはない、まあ気づくこともないだろうが...

ふと、その友達、キヨさんが私の方を向いて言った

「名無しさん お前やらないの?」

うぁ、と言葉にならない言葉が出てしまった、よく話せない自分としてはいきなり話を振られるのに慣れていないし、目を見て話されるというのも慣れていないのだ

「ぇ、と、大丈夫、です」

最初の方にどもりながらも、相手に聞こえる声で自分の気持ちを言うことができた、それだけで達成感が溢れる、しかし相手はまだ話を続けるらしかった

「いや〜でもさ〜、オレめっちゃ負けまくっててそろそろ、こいつの負けるところが見てぇんだわ!」

こいつ、という言葉とともに、兄の頭の上に、細くて大きな掌が乗せられる
のせられている男の人の中では小さいとされる兄は少々イラつき気味に

「僕、名無しさんに負けたことないんだけど〜!」
「それは嘘だよお兄ちゃん!少なくとも10回のうち4は勝ってるよ私!」

兄にバカにされたことによりカチンときて、キヨさんがいる時には出さない大きな声で切り返してしまった

少しおどろいた表情で私を見たあと

「おまえ、大きな声出るんなら普通にそれで喋れよ!」

笑って、そう言ってくれる

ああ、できたら私も、貴方と対等に、仲良く話したいです、出来ることなら頭を撫でてほしいです

まだその勇気が出ませんけど...
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