Room1

□好きになったのは2(終)
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ドアの前に立っているモモ。





「....どしたのこんな時間に。まだ制服じゃん」



急にさっきのことを思い出してモモの顔を見れなくなる。




精一杯の平然を装いながら応える。





モモ「みーたんも制服じゃん」




自分の姿を見て、あっと声を漏らした。





モモ「みーたん。こっち見て」




モモの真剣な声にまたどきっとする。




しばらくの沈黙の後勇気を出して顔を上げ、モモと目を合わせた。




住宅街の装飾されたイルミネーションと、やけに明るい月がモモの顔をくっきりと見せる。





モモ「みーたん泣いてたん..?」





なんでそんな優しい声で私の名前を呼ぶの?





空っぽになったと思っていた涙がまた溢れてきてしまう。




こんな姿見られたくない。この気持ちをバレたくない。




モモから目をそらした。





モモ「おばさん達は?」




「2人で旅行行って今日と明日留守。何か用あるなら伝えとくよ。」





早く終わらせたい。




あんなに一緒に居たかったのに、今は一緒にいる時間が苦しくなる。





と思っていた時、モモの手が突然ほっぺたに触れて顔を持ち上げた。




「なっなに..」




モモ「みーたんまた泣いてるじゃん」





そう言いながら指で涙を拭くモモ。




今度ばかりは逃げられない。




拭いたばかりの頬をまた熱い涙が伝っていく。






涙で視界が歪む。




目の前に立ったいるモモの顔が突然近づいてきた。




そう思った時にはすでに触れている唇。




こんな寒い冬の夜なのに、モモの手と唇はあったかかった。




「..なんっで.....ねぇ、なんでそんな事するの....?」




好きな人からのキスなのに、今の自分には全然嬉しくなかった。
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