Room1
□叶わない
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チェヨン side
高校に入学してすぐなんとなくって理由だけでダンス部に入った。
たぶん、入部する人が多かったから初心者でもイケるのかな〜とか考えていたのかもしれない。
でも入ってすぐ分かったことは、みんな共通のお目当ての人がいたからだった。
3年生のモモおんに。
普段から優しくてフワフワしてるところがあるけど、ダンスをするとかっこいいしとてもうまい。そのギャップに色んな人が惚れてきたんだと思う。
(あぁ〜そういうことか)
みんなモモおんにから振りまかれる笑顔に目がハートになっている。
モモ「わぁ〜こんなに入ってくれるんだね!」
新入部員に囲まれてわちゃわちゃしている。
ああいう人があまりタイプでは無い私は、1人外れてその光景をしれっと見る。
「モモ、ほら早く入部届け集めて。」
あまり大きな声では無いのに、後ろから聞こえる透き通るような声に無意識に顔が振り向く。
「わぁ.....」
自然に漏れる声に自分でびっくりする。
(めっちゃ綺麗な人......)
白い肌と、サラサラの黒い髪。それにほんのりジャスミンの匂いがする。
目の前を通る姿に釘付けになる。一目惚れだ。
分からないけどそう感じる。
モモ「あっミナ遅かったね〜!見てよ、こんなにいっぱい人きたよ!」
ミナ「マネージャーの集まりがあったの。マネージャーをしている3年生のミナです、みんなよろしくね」
ニコッと笑う姿に胸がドキッとなる。
(ミナおんにっていうんだ.....可愛い)
来てよかった、と心の底から自分を褒める。
入部手続きが終わり、早速明日から練習が始まる。帰り道の気分はワクワクしていた。