Room1
□シガレット(番外編)
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チェヨンside
ミナ『今何してるの?』
「今は、課題」
電話で話すことに距離を感じる。
社会人になったミナは私が思ったよりも忙しそうで、大学生の私とは時間が合わず全く会えなくなった。
2人を繋いでるのは毎日何度かやり取りするメッセージや電話だけ。
不安じゃ無いといえば嘘なる。
一度、私が4年生になる時の春休みに久しぶりに会った。
その時のミナは1年前と違って、だいぶ落ち着いた雰囲気になりあっという間に大人になったように感じた。
仕事で辛いことがあるんじゃ無いかとか、ちゃんと眠れてるのかとかいろんな心配があったけど、一目見たときに一番に思ったのは
私より良い人を見つけてしまってないかと思った。
「私が卒業したら一緒に住もう」
ミナの仕事の都合で、一緒に住むのは今は難しい。
そう約束して、もうすぐ卒業を間近に控えた。
肩と頬でスマホを挟みながら、キャンパスに筆を走らせ色をつけて行く。
ミナ『もうすぐ卒業だね』
「..会いたくなっちゃった?」
ミナ『....うん』
電話越しでも伝わるミナの不安そうな声。
「私今、ミナに会えてるよ」
ミナ『....え、どうゆう意味?」
目の前のキャンパスには、1年生の頃に書きかけたミナの絵。
捨てずにずっと残していた。
4年生の最後の課題として出すことにした。
卒業に間に合うように、毎日丁寧に完成に近づける。
ミナ『あの時の....」
「上手くかけてるから、卒業したら見せたげる」
会えない時間と距離が思いをどんどん強くする。
電話を切った後の静かな部屋が余計に悲しくなる。
思わずため息をついて止まった手を再び動かし始める。