Room1

□シガレット
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チェヨンside





今日は大学のサークルの新入生歓迎会があって居酒屋に来ている。






お店のテーブルを埋め尽くすほどの生徒が、騒ぎながらお酒を飲んでいる。







女先輩A「ねぇ!チェヨンちゃんってクールでかっこいいねぇ!」





女先輩B「わかるぅー!チェヨンちゃんになら抱かれて良いかも」





私も私もと騒ぎながら寄って来る先輩たちにあっという間に囲まれてしまう。






あまり女っぽい雰囲気が無い私には、昔から女の子しか寄ってこない。






だから初めて付き合ったのも女の子だったし、ヤったのも女の子だった。






だけどゴツゴツした男の人よりも、肌が白くて柔らかい女の子の方が全然良い。







「そんなこと言ってたら...本当に抱いちゃいますよ?」





目を見てこう言えば....ほら一発。





明らかにお酒のせいではないほど顔を赤くしている。







さらに騒ぎ出した先輩たちはずっと私の隣をキープしたまま動かない。






こんなに周りが騒いでる中、1人だけ明らかに違うテンションの子を見つける。





テーブルの端に座って、みんなの話を聞きながらただ笑ってるような、大人しめな子。





腕や首は白いけど、顔はほんのり赤くて
目が少しトロンとしている。





多分結構飲んでるんだろう。





(可愛い子だなぁー....)







気になってチラチラ見てると目が合った。






とりあえずニコッと笑うと、
ビックリしたような顔をして目をそらされた。






(なにあの処女みたいな反応!)





少し私の心に火がつく。ドS心ってやつ?






遠目の席から行動をみてると、グラスに残ったお酒をゴクッと一気に飲んだかと思うと立ち上がってフラフラとどこかに行ってしまった。






フラフラしてたから心配だったっていう気持ちもあったけど、近づくチャンスだって思った気持ちの方が大きかったと思う。





「せんぱーい、ちょっとトイレ行って来ますね」





女先輩「やーん!行かないでよー!」





腕を引っ張られ席に戻されそうなる。






パッとあの子の居なくなった方向を見ると、人混みに消えてもう姿が見えなくなっていた。





「ちょっとの間だけですから」





そう言って頭をポンポンと撫でると、喜んで静かになる先輩たち。






人混みをかき分けて進むと、トイレに続く通路でその姿を見つけた。






周りの声と暗い通路でよく見えないが、何か言い争っているように見える。





近づくにつれて、はっきりと見える。






男「ねぇ、いいじゃん〜彼氏いないんでしょ?」




「ごめんなさい....やめてください」





(嫌がってる...?)





困った顔をしている。






(なに手出そうとしてるんだよ)





まだ喋ったこともないし、ましてや今日会ったばっかりにも関わらず自分でも分からないが、イライラしてる自分がいる。






「あー!いたいた〜トイレに行ったと思ったのにこんなところにいたんだ」





わざと大きい声を出して近づく。





「ちょっと、なに私の友達に手出してんの。そんなに暇なら向こうのお姉さんたちの相手して来なよ」





その子にベタベタとくっついてる男の肩をポンと押して自分のいたテーブルの方を指差して言う。







男が何かを言おうとしてるのを無視して、その子の手を引いて外に出る。






「.....大丈夫?って、まだ名前も言ってなかったや。私1年のチェヨン。」




外のベンチに座りながら夜風に吹かれる。





ミナ「あっありがとう!助かった....私は3年のミナ」
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