Vesperia the world
□プロローグ
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先ほどまで雲ひとつない空だった。
今では灰色の雲に覆われており、ポツポツと雨が降り出して来た。
「あー、もう。今日に限って傘を忘れるなんて、最低!」
彼女はカバンを雨避けにして、雨の中をひたすら走って行く。
5分程走ると、ようやく自宅が見えて来た。
玄関にたどり着き、急いで鍵でドアを開ける。
「ただいま〜。って、誰もいないか。」
制服の上着についた雨粒を落としながら、靴を脱いだ。
家に着いてから、間もなく雨が激しく降り出し雷鳴まで聞こえてきた。
彼女はバスタオルで濡れた身体を拭きながら、二階の自室へ行く。
自室の窓から、外を見れば空は黒い雲に覆われていた。
「・・・雷、苦手なのよね。早くどっか行かないかな・・・」
レイラは、ポツリと独り言を言いうとテレビの前へ行きゲーム機の電源を入れコントローラーを握った。
その時、ドーンという雷鳴と光が見えたと思ったのもつかの間、レイラは目の前が真っ白になり気を失った。