僕は僕を好きになる(学パロ)
□4人の決断
2ページ/3ページ
年が明けてから、ベースは一度も触っていない。クローゼットの奥にしまってある。
ねる「みんなどうしてるかな・・・」
愛佳「お願いします、卒業式にねると最後のバンドをやらせてください。」
由依「お願いします、やっぱりねるちゃんがいて…私たちは五人でチームなんです。」
理佐「卒業式だけでいいんです。」
『お願いします!』
ねるは君たちみたいにお遊びでバンドをやってる時間はないんだ。帰ってください。
ねる(・・・・みんな?)
土曜日、担任から聞いた住所を訪ねてていくと【長濱】という表札があった。
インターホンを押すと、ねるは今勉強中で忙しいとのことだった。
それでも、用件は伝えたい・・・。
理佐「卒業式に、わたしたち4人とねるちゃんでバンドをするんです。」
≪バンド・・・ですか≫
愛佳「だから、ねるも卒業式に来てほしいんです。」
≪ねるはね、もう卒業の資格は学校側から了承されてるんです。≫
愛佳「お願いします、卒業式にねると最後のバンドをやらせてください。」
まったく話は聞き入れられずに、鍵をかけられてしまった。
『また、来るしかないよ。聞いてくれるまで。』
卒業式まであと1か月・・・・
それでも、美月たちは毎週通った。
最後に一生の思い出を作るために。
≪また、あなたたちですか…。≫
『お願いします、卒業式だけでいい。』
由依「あたなたちにも、ねるちゃんがどんな顔をしてバンドをするか…ベースを弾くのか見てほしいです。」
ねる(・・・・また、だ。またみんなの声がする)
理佐「最後は5人じゃなきゃ、終われないんです。」
卒業式まであと2週間、今日が最後のチャンス…
由依「もう、ムリなんじゃないの…。」
3回断られてすでに諦めモードの由依ちゃん。