ようこそ、不死鳥さん

□ようこそ、不審者さん
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「……………」











朝6時半


土曜日のこんな時間から、私は珍事件を目の当たりにしている





普段と大差ない時間に起きて、リビングに下りてみればソファに見知らぬ人発見


思わず開けたドアを閉めてしまったが…


私は寝ぼけてるのかもしれないと思い、またドアを開ける


しかしそこには相変わらずグースカ寝こけてる男が1人居るだけ










朝から頭痛に悩まされるとか…最悪な休日だ




















「夏艶姉ちゃん?何してんの?」



















蹲って現実逃避してれば妹で私達4姉妹の次女、美依が居た


その後ろには三女の笑美も居る


脱力していた身体を起こして、私は無言でリビングへのドアを開ける





予め喋らないようにジェスチャーで伝えてからリビングを見せる


訳も分からないまま中を見た2人はソファを見て同時に固まる


数分前の自分を見ている気分だ…




















「…え、待ってどういう事?不法侵入だよね、これ」



「でも寝てるよ…?」



「さっき来たらこうなってた。これ通報すべきか?」



「…んー、でもこんな不法侵入ってある?」




















美依の言う通り、こんな不法侵入は聞いた事がない


だけど怪しい人物なのは確かだ


さて、どうしたモンか…




















「とりあえず起こしてみる?」



「んじゃ何か装備しとけ、何されるか分からんからな」



「「ほーい」」




















間抜けな返事をして一旦部屋に戻った2人


その間に私はこれから捨てる予定のビンを持って先にリビングに入る


忍び足でゆっくり、慎重に男の近くににじり寄る





それでも男は起きる気配がない


そして遂に私は男の顔の横まで近付くことに成功した










ここまで熟睡してると逆に起こすのが申し訳ねぇな





美依達に加えて四女の杜希も一緒に下りてきた


3人とも私が男に至近距離まで近付いているのを見て絶句していた


我ながら大胆通り越してアホな事してると思うわ










私が起きる気配がない、と首を振って伝えれば普通に部屋に入ってソファをぐるりと4人で囲む


四女の杜希は眠そうな目をしながら聞いてきた




















「ねぇ、何事?」



「それがさっぱり分かんねぇんだわ。朝リビング来たらこのお兄さんが寝てたんだよな」



「ふーん…。…お腹減った〜」



「「「ゴーイングマイウェイか」」」




















杜希の三大欲求に従い、私達は男をそっちのけで朝食を食べる事にした










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