ようこそ、不死鳥さん

□ようこそ、不審者さん
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「…起きないねー、あのお兄ちゃん」



















朝食のトーストを食べながら笑美はソファの方を見る


そこにはさっきと変わらず安らかに寝てる男の人


因みに男の靴は勝手に脱がした


寝ている時点でアレだが土足はマジで勘弁





それでも起きねぇから驚きだわ




















「熟睡っつーか爆睡だな」



「タオルケット掛けとく?」



「あ、私取ってくるー」



「ありがとー美依」




















朝食を食べ終わった美依がタオルケットを取りに行くが、それでも男は起きない


普通気配とかで分かるんじゃないの?


よく寝れるなー、この人




















「夏艶姉ちゃーん、牛乳もうないよ?」



「あー、じゃあ今日買ってくるか…」




















買えれば、だけどな…










ひょっとしたら真っ暗になるかもしれない未来に苦笑を漏らしていると、ソファの方から動く気配がした


見れば杜希がソファの背もたれから男の顔を覘き込んでいる





おーい、警戒心とか少しは持て





まぁこんな男の横で普通に朝食食べてた人間が言えた台詞ではないので口にはしないが


一応心配なので男の顔の横に行けば丁度目が覚めた様子


眠そうな目で私をぼんやりと見ていた男だが、瞬きを何度かすれば一瞬で私の目の前から消えた









…ん?消えた?




















「ぅえぇ!?飛んだ!?」



「すっご!!え、何これ!?」




















笑美と杜希が驚いて叫んでいる間にも男は私達からかなりの距離を取る


てか、この人新体操の選手とかか?


身体能力半端ねぇ!!









男は私達をもの凄い目で睨んでくる


そりゃもう人1人は殺してんじゃねぇかってぐらい凄ぇ目付きで…




















「お前等…一体何者だよい」



「「「いや、こっちの台詞だから」」」



「は……?」


















どうやら状況を履き違えているみたいだ


私が一から説明しようとしていれば、後ろから美依が帰ってきた


これで全員か




















−全員集合−










(あれ、お兄さん目が覚めたんだ。タオルケット要らなかったな〜)


(んじゃお茶出す?)


(コーヒー♪コーヒー♪)



(空気読めお前等!!)











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