短編

□バレンタインSS
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「ねえ、アクアさんと付き合って結構経つんだよね?」



「?藪から棒だな……そうだが」



「今日バレンタインじゃん?やっぱり毎年貰ってんの?」



「ああ」



「……」



「何だその目は」



「ほあ〜〜〜〜〜羨ましい〜〜〜〜」



「自爆じゃねえかよお前」



「だあって〜」



「で?お前のお姫様からは毎年何を?」



「いろいろだ」



「ざっくりしてんな」



「ふむ……そうだな。毎年違うが、なかなか面白いぞ」



「面白い……?」





















一年目(ほぼ付き合いたて)
「あ、あ、あの、イグニスさん!これ……バレンタインチョコ、です……」
市販品チョコレート詰め合わせ(そこそこ美味い)


二年目
「イグニス!……こ、今年は、頑張ってみたの……口に合うといいんだけど……」
手作りブラウニー(美味い)


三年目
「イグニスー、えっと……はいっ、バレンタインのチョコー。……や、やっぱり照れるね」
手作りガトーショコラ(美味い)


四年目
「イグニスー、はいこれ。今年はちょっと変化球に挑戦しました」
手作りメガネ型チョコ(美味い)






















「「「待て待て待て待て」」」



「な、なんだ」



「ツッコミどころがありすぎて交通事故起きてやがる」



「なんで渡された時のセリフ全部覚えてんの!?どんな頭してんのさ!」



「自然と頭に入って来る。アクアのことならなおさらな」



「うわー俺ちょっと腰抜けそう」



「それだけか」



「いやまだある」



「一年目と二年目のアクアさん、そんなによそよそしかったの!?」



「?一年目というと付き合ってそんなに時間は経っていない。普通じゃないか?」



「いや今と比べてみろよ」



「比べて……」



…………



……



「比べられないくらいに両方可愛い」



「なんだこいつ」



「ノクト、顔、顔」



「事実なんだが……」



「やっぱアクアでも、最初は“イグニスさん”なんだな」



「……まあ、そんな時代もあった」



「二年目までに何があったのって感じだけどね」



「こいつのことだし練習させたとかな」



「あっはっは、イグニスでもそりゃあないでしょー、ねえ?」



「……………………」



「え、嘘……」



「……練習、というよりも、何度も呼ばせて癖をつけた」



「うわ、もっと上……」



「侮ってたわー……」



「で、その結果が今の感じってか」



「ああ。ああ見えて頑固だからか、少々骨が折れることでもあったな」



「はあ……まあこの件はいいや、これ以上聞くの怖いし」



「以上か」



「以上だと思ってんのか、まだあるぞ」



「メガネチョコ……」



「なんか三年目よりもグレード下がってねえか?」



「そうか?カカオから育てたらしいのだが……」



「下がるどころじゃなかったー……」



「上がるどころでもねえよ」



「型も自分で作ったと」



「アクア大丈夫か」



「色々と心配になるわ、あの天然」



「イグニスのことになると、どーっか頭のネジ外れちゃうのかなー……癒しだけど」



「おい」













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