短編
□xxxx的ウイルス
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「へ、へあ、へあっくしゅんっ」
アクアのくしゃみ。これで何度目か。
アクアはいわゆる花粉症だが、そんなにひどいものではない。例年を見ていれば、たまに鼻をすするようなもので。
ただ、今回、いや“今日”はよくくしゃみをする。
「ほら、ティッシュ」
「うぅ……ありがとー……」
「今日はなんだか症状がひどいな。大丈夫か?」
「んん、どうだろ。私にもわかんなくって……はっくしっ!」
もう一度くしゃみ。
ここまでひどいと心配になる。
……もしや風邪か?
「ん……イグニス?」
アクアの額に手を当てる。
…………うむ。
「平熱だな……」
「んー、そうなの。私も体調悪いのかなって思ったんだけど、特に、しょんなこと、は、はっくしょんっ!」
くしゃみが止まらない。昨日まではこうじゃなかったのに。
テレビ曰く、花粉の量も例年より少ないらしいしな。
くしゃみの連続で辛そうなアクアの髪を撫でてやる。
「今日は晩御飯を食べたあと、風呂に入ってさっさと寝よう。眠れば多少楽かもしれない」
「ん、わかった。ありがとー……へっぷしっ」
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