短編
□Behind Moon
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とある標でキャンプをした時のことだ。
夕飯も食べ終わり、就寝の時間。俺も含め全員テントの中で横になる。
ノクトをはじめ、目の前のアクアも目を閉じたことを確認し、俺も眠りに就いていた。
おそらく俺も夢の中にいたんだと思う。ただ眠りは浅かった。眠っている感触があまり感じられない。
「……ん?」
その時だ。男3人の煩いいびきに交じって、どこからか声が聞こえてきた。
いや、声というよりは――。
『――……――……〜♪』
……歌だ。
もしやと思いうっすらと目を開くと、アクアがいない。
そのままの流れで時計を確認すると、針は夜中の2時を指している。
彼女が寝たところはみているから、途中で起きてしまったのだろうか。
俺は眼鏡をかけ、ノクトたちを起こさないようにこっそりとテントを出た。
……たまにあいつは自由だな。目が離せない。
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