短編
□アサシンズ・フェスティバル! 〜2〜
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ノクト王子、プロンプトくんが文字通りベランダから帰ってきた。
話を要約すると三つ。
ホリーさんが帝国軍のロキ准将と揉めていたこと。
彼は工場のカードキーを奪い、工場へ入れなくしていること。
そして、敵には攻撃が一切通用しないということ。
「戦っている途中で攻撃が効かなくなった」
「おそらくジャマー装置だろう。それがある限りはまともに力は使えないな」
「私のブーツはどうかな……?」
「アクアはもうすでに攻撃方法が知られている。別の対策も立ててあると考えた方がいいだろう」
「そっか……」
「どうすりゃいい?」
「とにかくカードキーを集めて、工場内のジャマー装置を止めるしかない」
「だが、力は使えねえぜ?」
すると、プロンプトくんが腕を組んで口を開いた。
「ここはアサシンらしく、暗殺……かな?」
暗殺。
不意を突いて一撃で仕留める……かあ。
「マジ?でも、他に手はねーか」
不意を突けるということなら、ノクト王子は結構有利かもしれない。
他に手は無い以上、やるしかないけれど。
「よし、フェスティバルに紛れてもう少し情報を収集しよう。ノクト、プロンプトと一緒に入り口にある塔から帝国軍の布陣を確認してくれ」
「わかった」
「私にも、協力させて」
シドニーさんが立ち上がった。
「ダメだ、危険な目には遭わせらんねえ」
その言葉を聞いて、シドニーさんが語気を強める。
「ホリーは大事な友達なんだ!私ができることなら、何でもするよ」
その気迫に押されたのか、ノクト王子は承諾。「なんかあれば頼む」と返す。
「では行こう」
イグニスの号令に、皆頷いた。
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