短編
□話
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カランコロン、と小気味の良い鈴の音と共にノクトとプロンプトが店内に入る。
「いらっしゃいませー……、って、ノクト王子だー」
「今王子はやめろって。二人な」
二人を迎えたのはアクア・ブルーモンド。
バツが悪そうにごめんねと言うと、二人をテーブル席に案内する。
歩いている間、慣れた様子でアクアについていくノクトとは対称に、きょろきょろと落ち着かないプロンプト。
「ノクト、こんなオシャレなお店知ってんの?……さすが王子だわー」
「いや、これは王子とか関係なくてだな」
「こちらどうぞー……。あ、君は初めましてだよね?」
アクアは席に座るプロンプトを見て興味深そうに尋ねる。
「あ、は、ハイ!プロンプトっていいます!」
プロンプトは顔を赤くして話す。笑いをこらえながらその様子を見るノクト。
ノクトの表情を表すならば『(笑)』といった感じか。
「ふふ、私はアクアっていいます。よろしくね。ご注文が決まりましたら、お声掛けください」
「おう」
そう言ってアクアは去って行った。それを見届けた後、プロンプトはノクトにテーブル越しで詰め寄る。
「今の人、誰!?」
「誰ってアクアだけど。さっき名乗ってたじゃん」
「も〜〜〜〜!そういうことじゃなくって!」
メニューから目を離さずにあっけらかんと言うノクト。
とりあえず後で問い詰めようとプロンプトも同じようにメニューを見る。
「俺決まったけど、お前は?」
「……うー、どれもおいしそう」
うんうんと唸った後、すいませーんとプロンプトが手を挙げる。
「はーい、ご注文は?」
注文用紙を携えたアクアがやってくる。
「いつもの」
「あ、僕これで!」
「はい、少々お待ちください」
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