いつか、私は。
□Chapter 13-2
1ページ/4ページ
口の奥の方から鉄のような味がしてくる。
肺の辺りも押しつぶされるような感覚がするし、何より脚も今までにないくらいに鈍痛を訴えていた。
身体が限界を迎えつつあるのは知っている。自分の実力不足も今痛感している。
「――アクア!乗れ!」
もうどれくらい走ったか、というところでノクトくんの声。
振り向けば、そこにはレガリアがいた。
「……行くぞ!」
「ああ」
「はい……!」
「頼むぞ!」
運転席にノクトくん。後部座席にグラディオさんとイグニス。私は助手席だ。
後ろから不気味なシガイの声が次々に聞こえてくる。それらを聞きながら、ノクトくんはエンジンをかけた。
.