いつか、私は。
□Chapter 12-2
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「ああ、なんてこと……これからどうしたらいいの?」
「こりゃやっぱり帝都は無理だな……」
「シガイだらけってのは本当かもな」
駅で座っていると、周囲の人々の不安の声が耳に入って来る。
この人たちはアラネアさんが面倒を見てくれるらしいから、ひとまずは安心かな。
……精神の方はどうにもできないけれど、せめてもの安全は。
「宮殿はかなり損傷しているのか?」
「うん……かなりボロボロ……」
「だいぶひでえな。避難してる人間も、疲れ切った顔してる」
「あの宰相はいったい何をしたいんだ」
「考えるとたいてい嫌がらせでしかねえ。邪魔ってほど邪魔もしねえ」
「っ、言われてみれば……」
「プロンプトも多分生きてんだろうよ。ただ、無事かどうかだな」
「……アクア、疲れていないか」
「うん、大丈夫。まだいけるよ」
「本当か?」
「大丈夫。……そんなに信用ない?」
「あ、いや、すまない。そういうわけでは……」
「ごめん、意地悪な聞き方した。……わかってるよ、心配してくれてるんだよね」
「……ああ」
「イグニスはどう?」
「今のところ、問題ない。……気がかりなことは数えきれないが」
「うん……」
イグニスの手をきゅっと握り直す。
……プロンプトくん、お願い、無事でいて。
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