いつか、私は。

□Chapter 12-2
1ページ/5ページ








「ああ、なんてこと……これからどうしたらいいの?」
「こりゃやっぱり帝都は無理だな……」
「シガイだらけってのは本当かもな」







駅で座っていると、周囲の人々の不安の声が耳に入って来る。


この人たちはアラネアさんが面倒を見てくれるらしいから、ひとまずは安心かな。



……精神の方はどうにもできないけれど、せめてもの安全は。








「宮殿はかなり損傷しているのか?」


「うん……かなりボロボロ……」


「だいぶひでえな。避難してる人間も、疲れ切った顔してる」


「あの宰相はいったい何をしたいんだ」


「考えるとたいてい嫌がらせでしかねえ。邪魔ってほど邪魔もしねえ」


「っ、言われてみれば……」


「プロンプトも多分生きてんだろうよ。ただ、無事かどうかだな」


「……アクア、疲れていないか」


「うん、大丈夫。まだいけるよ」


「本当か?」


「大丈夫。……そんなに信用ない?」


「あ、いや、すまない。そういうわけでは……」


「ごめん、意地悪な聞き方した。……わかってるよ、心配してくれてるんだよね」


「……ああ」


「イグニスはどう?」


「今のところ、問題ない。……気がかりなことは数えきれないが」


「うん……」









イグニスの手をきゅっと握り直す。





……プロンプトくん、お願い、無事でいて。





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ