いつか、私は。
□Chapter 11-2
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グラディオさん、イグニスと機関室に入ると、ここもここで大騒ぎ状態だった
「何があった!」
「そ、それが、本エンジンをやられてしまったようで……」
「予備に切り替えられませんか……!?」
「い、今切り替えてます!ですが少々時間が……!」
「すぐには無理、ということか……」
職員さんと押し問答をしていると、外で大きな爆音が響いた。
慌てて外を見ると、爆発や戦車、それに帝国兵も見える。
その中で、青白い光の軌跡のようなものも見えた。ノクトくんだ。
「あっちは足止めしてるみてえだな」
「ええ。……あ、私手伝いに――」
「いや、やめておいた方がいい。おそらく今からでは発車に間に合わない」
「わ、わかった」
イグニスに肩を掴まれ、大人しく引き下がる。
列車の後方は――無事なようだ。ノクトくんとおそらくプロンプトくんも足止めをしてくれている。
「よ、よし、発車できます!」
「イグニス、プロンプトに連絡を!」
「ああ」
「アクアは乗客に伝えてきてくれ。……ああ、外への注意も忘れずにな」
「わかりました!」
グラディオさんの指示で、私は機関室を飛び出した。
「っ!」
一両目から大勢のお客さん。おそらく後方の車両から逃げてきた人たちもいるんだろう。皆ガタガタと震えている。
私はすっと息を吸い込み、できる限りの大きな声を出した。
「もうすぐ発車します!向かって左の窓には近寄らず、姿勢を低くしてお待ちください!」
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