いつか、私は。

□Chapter 11-1
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ゴトゴトと揺れる列車内。



そこの食堂車で、ノクトくん、イグニス、私はボックスシートに座っていた。



先ほどよりものどかな風景を堪能しながら話をする。









「列車の旅もいいな」


「ああ」


「帝都に着いたら運転はお前か?」


「あいつらに聞いてみ」


「ふふふっ」


「レガリアも積んでもらえてよかった。首相に感謝しないとな」


「アレも安くしてくれりゃーな」


「通信機は残念だった」


「まあ、それでも色々引いてはくれたみたいだけどねー」


「引いてあの値段はしんどいわ」


「……水神の騒ぎでのことなんだが」


「?」


「ああ」


「帝国軍が撤退する中、妙な動きをする揚陸艇がいた。……宰相の船だ」


「っ……!」


「目をやられた直後――最後に神殿の方へ向かうのが見えた」


「……」


「止められなくてすまない。俺も、意識を失って――」


「生きてたんだから、いい」


「……うん、そうだよ」


「しっかり見てろよ、アクア。こいつたまに無理するからな」


「ふふ、長年の経験上、存じておりますー」


「そ、そんなにか」


「ええ、そりゃあもう」




「特にノクトくんが絡んだら」
「特にアクアが絡んだら」




「……意見は合わせてくれないか」


「あれ、おかしいねー」


「いやお前だろ。どう考えても俺じゃねーし」


「えー?」


「……ん?足音が聞こえてきたな」


「ああ、グラディオ、帰ってきたぞ。何頼んでたんだ?」


「……人探しだ。気になることがあってな」


「人探し……?」


「おう、探し当てたぞ」


「すまない」


「気になるってなんだよ」


「夜の長さのことだ」


「最近、長くなってってんだろ?」


「ルシスでも噂は聞いていたが、ここ数日でもだいぶ変わったように思う」


「ああ――」


「……確かに、前まで明るかった時間が真っ暗だったりするもんね」


「このまま変化が加速すれば、近いうちに――」


「一日夜って?」


「それは……まずいね。夜はシガイの活動時間だし」


「大げさだとも言えねえな。六神も半数がやられちまった。星や世界に影響が出てしかりだ」


「まあな」


「アクアも言ったが、夜が延びればシガイも増える」


「そっちは実感してるしな」


「ここでも誰かがその件を話していたんだ、それで――」


「俺が探しに行かされたってわけだ」


「ごくろーさん」


「行くぞ、待たせてる」


「ああ、わかった。行ってくる」


「えっと、私も、行っていい……?」


「当たり前だ。……逆に問うが、来てくれないのか?」


「!い、行く!」


「俺がいんの忘れんなよお前らー」


「大丈夫です!……じゃあ、行ってくるね、ノクトくん」


「おう」







ノクトくんと別れて、私たちはその場を去った。








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