いつか、私は。

□Chapter 10-3
2ページ/4ページ






「っ、やったか」



親玉を倒したことで、周囲の子供も消滅した。



これでやっと、さっきの場所をじっくり調べられる。




「倒したよ!イグニスのおかげだ!」


「……助かったぜ、イグニス」


「ほんとありがとう、死ぬかと思ったよ」


「いや」


「ありがとう、イグニス」


「……役立てたなら、いいんだ」





そう言いつつも、イグニスは少し嬉しそうな表情だった。



私もイグニスの手を取って、喜びが伝わるようにふるふると握手をする。
















びっしりと埋まっているタマゴをノクトくんが遠距離で焼くと、王の墓所でお馴染みの扉が現れた。



やっぱり、大当たり。








「おお、扉だ」


「こんなとこに墓作んなよな」








軽い文句を言いながらノクトくんはカギで扉を開けた。




中まで水浸しだけれど、まあ年月の経過を考えればそう不自然ではないのかもしれない。





ノクトくんがいつものように、ご先祖様に手をかざすと、剣が眩い光を放ちながらふわりと起き上がる。





そして上空へと舞い上がったそれは、一息にノクトくんを貫くようにしてその身を宿した。






また一つ、先代の力を授かることができた。












「さっさと駅に戻ろうぜ」


「ああ、行こう」





あまり列車を待たせても悪い。他のお客さんもいるし。



駅に戻ったら、次の目的地は――。














「待ってくれ」











.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ