いつか、私は。
□Chapter 10-3
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「っ、やったか」
親玉を倒したことで、周囲の子供も消滅した。
これでやっと、さっきの場所をじっくり調べられる。
「倒したよ!イグニスのおかげだ!」
「……助かったぜ、イグニス」
「ほんとありがとう、死ぬかと思ったよ」
「いや」
「ありがとう、イグニス」
「……役立てたなら、いいんだ」
そう言いつつも、イグニスは少し嬉しそうな表情だった。
私もイグニスの手を取って、喜びが伝わるようにふるふると握手をする。
びっしりと埋まっているタマゴをノクトくんが遠距離で焼くと、王の墓所でお馴染みの扉が現れた。
やっぱり、大当たり。
「おお、扉だ」
「こんなとこに墓作んなよな」
軽い文句を言いながらノクトくんはカギで扉を開けた。
中まで水浸しだけれど、まあ年月の経過を考えればそう不自然ではないのかもしれない。
ノクトくんがいつものように、ご先祖様に手をかざすと、剣が眩い光を放ちながらふわりと起き上がる。
そして上空へと舞い上がったそれは、一息にノクトくんを貫くようにしてその身を宿した。
また一つ、先代の力を授かることができた。
「さっさと駅に戻ろうぜ」
「ああ、行こう」
あまり列車を待たせても悪い。他のお客さんもいるし。
駅に戻ったら、次の目的地は――。
「待ってくれ」
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