いつか、私は。
□Chapter 10-2
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「なんだこりゃあ?」
「えっ、これ進める?」
奥へ行こうとしたところで、なんだか大きな機械がドンと中央にあった。
近づいて確認してみると、人一人通す隙間もない。
「道が塞がってんじゃねえか」
「工事の機械かな?」
「そのままになっちゃっているのかもしれないね……」
「機械なら、どこかで動かせないか?」
機械なら、どこかに制御装置があるはず。
と、入り口に戻ってきてさっき見た大きい機械を試してみることに。
「これでいけそうかも」
「動かせるか?」
「これか?」
ノクトくんがレバーを引く。
機械の上部にある煙突から真っ黒な煙が噴き出した――のはいいけれど、すぐに止まってしまった。
「おい、止まってんぞ」
「なんで」
「ええーこういう場合……予備電源を起動してくださいって。小屋にカギがあるらしいよ」
プロンプトくんが貼り紙を読み上げる。ということはまずその小屋に行かなければ。
洞窟のような道になっている暗い脇道を奥へ奥へ。
やはり今までの王の墓所みたく、ダンジョンのようなものだった。
――先を急ぐノクトくんにグラディオさんが舌打ちをしたりと、やっぱりぎすぎすした空気のまま、私たちは進んで行く。
本当に小さな小屋の前に群がっていたシガイたちを倒すと、ノクトくんが声を上げた。
「何かあった」
「これだね、カギって」
「予備電源は?」
「起動装置の近くにあるって書いてあった」
「じゃ、行くか」
カギを手に入れたら、あとは予備電源を起動するだけ。
ぬかるんだ地面を踏みながら、中央の機械を一周する形で予備電源へと急ぐ。
「ったく、先に行きすぎだ」
「……」
また先へ進むノクトくんに、グラディオさんがいらついた声を出した。
……。
「アクア?」
ふと立ち止まってしまう私に、イグニスは顔を向けた。
「え、あ、うん。ごめん、ボーッとしてた」
いけないいけない、と私は歩みを再開する。前方を歩くグラディオさんとプロンプトくんが、心配そうにこちらを見ていた。
首を振って大丈夫であることを伝えて、さっきの通り歩く。
「……いや。無理に合わせて、疲れたんだろう」
「そうじゃなくって。……なんというか、皆静かだなって」
「まあ……原因としては、俺も一枚噛んでいるからな。否定はできない」
「……なんか、寂しいなって」
「……すまない」
「もう、謝らないで。……あ」
少し進んだ先、小さな赤い光が点灯していた。いじれる機械だ、と思ったけれど、前にはカエルみたいな野獣。
これは、知っている。ギガントードだ。
「野獣が前にいる……」
「わかった」
「倒しちまわねえと、ゆっくり機械もいじれねえな」
「戦うしかないね」
全員武器を構えて応戦。
ササッと倒して、予備電源を起動させてもらおう。
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