いつか、私は。
□Chapter 9-17
1ページ/4ページ
「イグニス!」
「っ、グラディオ!?」
ノクトの安否を確認している途中、背後から声をかけられる。
見慣れた巨体、グラディオだった。
「一人か?アクアとプロンプトは?」
こいつがここにいるということは、アクアもプロンプトもいるはずだ、と問いかける。
アクア――。
だがグラディオは俺の問いに答えるわけでもなく、レイヴスに視線を移す。
俺への視線はもうなく、レイヴスの方へ歩いて行く。
「……絶好のチャンス、かな」
ぼそりと何かを呟いたかと思うと、おもむろに武器を振り下ろした。
「っ――」
レイヴスは間一髪でグラディオの大剣をいなす。
険しい表情で、レイヴスが口にしたのは――。
「アーデン……!」
「あれ?……バレちゃった」
グラディオが頭に手を当てる。
瞬間、グラディオの姿はなく――あの、アーデン・イズニアが目の前にいた。
「ぐっ――!!」
そして瞬く間に周囲には帝国兵が何体も。
俺は身体を銃で殴られ、地に伏せてしまう。
そして頭と腕を、帝国兵2人がかりで押さえ込まれる。金属の手が重い。
先ほどの疲労も相まってか、暴れることはできても振りほどくことができない。
――まずい。
「ここまでお疲れ様」
眼前に、アーデンの足。
.