いつか、私は。

□Chapter 9-15
1ページ/4ページ









レイヴスがじりじりと近寄ってくる。




右手に持つ細剣が鈍く光っている。自分の頬に汗が流れるのを感じた。






そして――レイヴスが近づいてくるのと同じく、帝国兵が数体現れた。





一斉に取り囲まれる。







――さすがに、この状態でこの帝国兵とレイヴスを相手にするのは分が悪すぎる――。







どうしたものか……と思った瞬間、背後の帝国兵が勢いをつけて寄ってくるのを感じ、振り返る。





そして同時に――レイヴスも剣を振り上げた。




眼前のレイヴスに、武器を構える。




















「な――――!?」

















レイヴスの剣は――俺の後ろの帝国兵に突き刺さった。




そのままレイヴスは俺に背を向ける。






「無駄に争うつもりはない」





レイヴスはぐるりと周辺を見渡す。まだ帝国兵は多い。








「手を貸せ。神凪と王の救出ルートを確保する」








帝国への、明らかな離別。そして反乱。




俺は驚きを隠せなかった。





「選択の余地があるのか?」




「……危険な賭けだが」





右手のダガーを、帝国兵の一体に投げる。頭部に命中。その兵は崩れ落ちた。



それは――。





「理解したようだな」






俺は、レイヴスとの共闘を開始した。











「手早く済ませよう」





「言われるまでもない」









.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ