いつか、私は。

□Chapter 9-14
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『イグニス、大丈夫だよ』



「アクア……」



『ちゃんと、こっちはやり遂げるから。だから、安心して前に進んで』



「……ありがとう」



『っ、うんっ』



『俺たちも必ず追いつくかんね!』



「……ああ、わかった……!」






三人との通信に背中を押されながら、ボートの元へ向かう。




オルティシエのかつて美しかったはずの景観は、もはや見る影すらなかった。



わずか日を跨ぐことなく、こうも成り果てるとは。








走って、そしてフックショットを活用してやっとたどり着いた船着き場には、避難民が少しとオルティシエ兵がいた。






「あんたか!準備はできてる」




「っ、恩に着る。早く撤退しろ、ここももうもたない」




「……本当に、生きてると?」




「当たり前だ」




「無事を祈る。あんたと王様に」








オルティシエ兵はそう言って去って行った。





「……さて」






飛び込むようにボートへと乗り、ハンドルやシステムの操作を頭に叩き込む。





巨神の声や、波しぶきの音が、さらに大きなものへとなっていた。








「……待ってろ、ノクト」







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