いつか、私は。

□Chapter 9-11
2ページ/3ページ













「……はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」









両膝に手を当てて少し呼吸を落ち着ける。座り込みそうになるけれど、なんとか堪えた。






周囲には帝国兵の残骸だらけ。かなり気持ちの悪い光景になっていた。





……思えばたった一人だけでこんなに戦ったの初めてかもしれない。いつも誰かがいたから――。








「……イグニス……」








通信で会話はできる。できるけど、声でしか情報が通らない。




……うう、あんなに大見得切ったのに、心配だなあ……。







「……あ、そうだ」






通信機に指を持っていく。ピッと軽快な電子音が鳴った。




とにかく、報告をしなくては。








「アクアです。イグニスと別れて行動中。帝国兵を何体か倒しました。グラディオさんとプロンプトくんの方へ加勢し、陽動します」



「――アクア今どこだ」



「二人と別れた橋から南へ100mほど……」



「そんなに遠くねえな。元いた方面に走ってこい。――帝国兵が集ってやがるから、わかんだろっ」






呼吸や周囲のノイズから、戦闘中のようだ。





私は急いで走り出した。







.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ